タミフルの耐性

投稿日時 2007-10-15 10:30:21 | トピック: お知らせ

スウェーデンのウメア大学の研究チームは、タミフルの活性成分は、通常の下水処理で取り除くことができず、また紫外線照射によっても分解されずに自然界に排水とともに放出されるため、排水口近くの野生のカモなどがこれをエサとともに摂取した場合、ウイルスが突然変異を起こしてタミフルに対して耐性を獲得してしまう危険があるとする研究結果を、PLoS One 誌に発表しています。



通常、下水処理は「機械的処理」「化学的に処理」「微生物による処理」の3段階で行われますが、研究チームは、2006年6月にウメアの下水処理施設から3種類の下水(未処理の下水、濾過して化学処理後の下水、微生物を使って処理後の下水)を採取し、肝代謝によって生成されたのち体外に排出される活性体のオセルタミビルカルボン酸塩(OC:oseltamivir carboxylate)の量を調べて、通常の下水処理でOCが取り除かれるかどうかを調べました。

その結果、いずれの下水でもOCが認められ、また、研究者らは水環境における“sorption”“ biodegradation”“photolysis”といった分解経路によってもOCは容易に分解されないとしています。

つまり、タミフルが大量に処方された場合、自然中におけるOC濃度が高まることにつながり、研究者らは世界的な流行が懸念されているH5N1ウイルスに耐性を与えてしまうリスクが高まる可能性があるとして、「タミフルは医療上必要な場合の処方にとどめるべき」としています。

研究者らは、多くの国ではタミフルの使用量を少なく、耐性ウイルスの出現についてはさほど心配することはないことを示唆していますが、インフルエンザにかかると1/3の患者がタミフルを使うとされる日本については潜在的なリスクがあるとしています。

日本におけるタミフルに耐性ウイルスの問題は、既に2004年にLancet で発表された研究で明らかになっていて、この研究報告では、日本で感染した少人数の児童を調べたところ、18%が突然変異ウイルスに感染、また、このウイルスのタミフルへの耐性は、普通の場合に比べ300〜10万倍高かったということがわかっています。




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